2010年08月25日

今月の体当たり企画は、西堀栄三郎さんについて取材しました。

今月の体当たり企画は、西堀栄三郎さんについて朝日新聞社ビルで催されていた「西堀栄三郎展」と滋賀県「西堀栄三郎記念、探検の殿堂」を取材しました。


西堀栄三郎さんは独立コンサルタントとして、統計的品質管理手法を日本の産業界に持ち込み、総合品質管理の進歩に功績のあった民間の団体および個人に授与されている賞である、デミング賞や電電公社総裁賞を受賞し、戦後日本の飛躍的な工業発展の礎の1つをつくった人物です。

西堀さんは戦時中、陸海軍が規格統一なしにばらばらで使っていた各種の真空管に対して、「ソラ」という名前の、何にでも使える標準化した真空管を東芝で開発しました。

当時としては、全くの素人の動員学徒でも作れるように扱いやすく、しかも高性能の真空管でした。
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その真空管「ソラ」は、戦時中のことなので材料も悪く、歩留まりが上がりませんでした。

そこではじめたのが「品質管理」。今となっては当たり前ですが、当時としては馴染みの無い研究です。
そしてその研究で生まれた手法が、戦後の日本の産業の品質を世界一のレベルに押し上げる原動力になりました。


西堀さんの品質管理に対する考え方の中に、「品質管理は工程管理である」という考え方があります。
「製造業だけではなく、サービス業やコンピューターのソフトを作る会社であっても、製造業でいう工程に相当する部分が必ずあり、それは現場で働く人間の性格や心理というものまでが品質に影響し、その要素が少しでも効いている工程ならば、その人間の問題を抜きにして品質管理を語ることはできない。」というものです。
「品質を管理する」のではなく、「品質で工程を管理する」という発想です。

西堀さんは、探検家としても大変活躍された方でした。
南極大陸での越冬事業を日本人として最初に成し遂げたのは、西堀さんの率いる越冬隊でした。

後にその隊での出来事がモデルになった映画「南極物語」は有名です。
西堀さんの越冬体験を知るには、同氏の著書「南極越冬紀」がとても解りやすいですが、滋賀にある「西堀栄三郎記念 探検の殿堂」では-25度と言われる南極での凄まじい寒さを体験することができます。

ブリザードといわれる猛烈に冷たい風が一度ふけば、写真のように、水に濡らしたハンカチも瞬く間にカチカチになりました。
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「応用がきく、本当の役に立つ知識は、おっくうがってじっとしていては得られない。かならずそこへ足を運び、自分の手で触り、目で見て、匂いをかいだり、時に味わったりして、初めて自分のものになる」という言葉を残しています。

イラストと共に「知識は知識である。それだけでは使えない。体験して生きた知識、真の知識を身に付けよう。」という言葉等、数々の西堀語録をこの世に残し、1989年に86歳で亡くなられました。

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posted by Factory-ONE 電脳工場 メールマガジン編集者 at 09:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 突撃取材